大国主神社について


 赤羽八幡神社の御社殿左側には、9つの末社が御鎮座しています。その中の1社が『大国主神社』です。御祭神は『大国主命』(おおくにぬしのみこと)で、縁結びの神として有名な出雲の神様で、古事記や日本書紀にも数多く登場する、出雲大社の御祭神でもあります。恋愛成就・縁結びは古代の人々にとっても切なる願い事でした。

 では、なぜ大国主命が縁結びの神として絶大なる人気を誇っているのでしょうか。

美男で艶福家

 大国主命は、この日本の国の国造りをする上で、その土地その土地の女神たちと恋に落ちたり結婚をしたりと、数多くの子宝にも恵まれました。

 その子孫は、古事記には180柱、日本書紀には181柱と記されるほどです。(神様は人間と違い、1人2人ではなく、1柱2柱と数えます)
 
 まさに神話の中でのbPのプレイボーイとも呼べる美男子神様で、いたるところに恋人や子孫をお造りになりました。結婚した姫神も、ヤガミヒメ・スセリビメ・ヌナカワヒメ・タギリヒメ・カムヤタテヒメ・トリミミヒメと6人を数えます。このようにエネギー溢れる、たくさんの恋愛と結婚を経験されてきた神様だけに、まさに恋愛成就・縁結びのスペシャリストと呼べそうです。大国主命は、一般には大黒様として知られる人気の高い神様です。

 大国主神社の横にも、大黒様の石像が置かれています。


幽れたる神事

 数々の試練を乗り越えて、美男のプレイボーイからこの国の支配者へと登りつめていった大国主命は、少彦名命(すくなひこなのみこと)と共に、全国を回りながら数々の事業(農業・医療・温泉開発など)を行い、国土を纏め上げていきました。 

 そして、天孫降臨の国譲りでは、天照大神の孫である皇室の御祖先であるニニギノ命のこの国への降臨に際して、国土の全ての統治権限を譲り渡しました。

 その様子は、『私が治めていますこの現世の政は、すべてあなた様がお治めください。私は隠退し、幽れたる神事を治めましょう』と、日本書紀にも記述されています。

 この『幽れたる神事』こそ、『目に見えない縁を結ぶ』ことなのです。

 大国主命は、天上の神の御殿にも引けを取らないほど立派な御殿を出雲の地に建てていただき(現在の出雲大社)、それから後は出雲大社にお鎮まりになり、幽れたる見えない世界を支配・主宰しています。

 特に、大国主命の縁結びは、単に『男女の縁を結ぶ』だけでなく、この世の人と人との全てのつながりの縁結びとも言われています。

 陰暦の10月のことを神無月と言いますが、これは全国の神様たちが出雲にお集まりになられて、神様がお留守になるからです。お集まりになった神々は、大国主命も許で人々の幸福の縁を結ぶ会議『神議(かむはかり)』をします。 




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