中国で3000年以上の歴史を持つ風水は、大地の気の流れを看て、その調整を行なうことによって、大地の気を活用するという、環境学とも呼べる占術です。風水には大きく分けて「地理風水」「陰宅風水」「陽宅風水」の3つがあり、この中で住居の吉凶を判断するのが「陽宅風水」です。このよう宅風水もさらに多くの流派に分かれ、色々な鑑定法が存在します。前述の「九星気学・家相」も、元をたどれば中国から伝わった風水の一種です。


五行

 古代中国では、全てのものは「木・火・土・金・水」の5元素に分類されると考えられていました。これを五行説と言います。

  五方 五季 五色 五常 五情 八卦
震・巽
中央 土曜 坤・艮
西 乾・兌


◎五行相生

 
木 → 火 → 土 → 金 → 水 → 木

 木は燃えると火を生じ、燃えつきると土となり、土からは金が生まれ、金を冷やすと水を生じ、水は木を潤す。


◎五行相剋

 
木 → 土 → 水 → 火 → 金 → 木

 木は土の養分を奪い、土は水を吸収し、水は火を消し、火は熱で金を溶かし、金は斧となって木を切り倒す。


八卦

  正象 方位 五行 人物 象意
西北 高貴 正直 目上 権威 貴金属 官庁
西南 温厚 倹約 労働 家庭 誠実 勤勉
長男 成功 活発 開拓 音楽 電気 電話
東南 長女義 利益 信用 整う 恋愛 香り 評判
中男 苦労 秘密 健康 和合 睡眠
中女 試験 学問 別離 美 派手 名声 手紙
東北 少男 変化 改革 貯蓄 渋滞 地味 相続 不動産
西 少女 雄弁 娯楽 議論 飲食 金銭 歓喜




本命掛(ほんめいか)


 風水では、その人の生まれた年や性別により、各自の「吉方位」「凶方位」の八卦が異なります。この八卦のことを「本命掛」といいます。本命掛は九星気学の「本命星」に似ていますが、三碧の方以外は男女によって本命掛が変わり、8種類に分類されるため五黄がありません。

 まずは下の早見表で、自分の本命掛を探してください。

本命掛早見表

本命星 男性の
本命掛
女性の
本命掛
生まれた年
一白水星 S11,20,29,38,47,56,H2,11年
二黒土星 S10,19,28,37,46,55,H元,10年
三碧木星 S9,18,27,36,45,54,63,H9,18年
四緑木星 S8,17,26,35,44,53,62,H8,17年
五黄土星 S7,16,25,34,43,52,61,H7,16年
六白金星 S6,15,24,33,42,51,60,H6,15年
七赤金星 S5,14,23,32,41,50,59,H5,14年
八白土星 S4,13,22,31,40,49,58,H4,13年
九紫火星 S3,12,21,30,39,48,57,H3,12年

(注)1月1日から2月3日(各年の節分前)に生まれた方は、前年生まれとみなします。
例えば昭和51年2月1日生まれの女性は、昭和50年生まれとみなし、艮命になります。

本命掛の読み方
坎命(かんめい)
坤命(こんめい)
震命(しんめい)
巽命(そんめい)
    乾命(けんめい)
    兌命(だめい)
    艮命(ごんめい)
    離命(りめい)

 


八宅盤(はったくばん)


 本命掛がわかったら、下の8つの八宅盤の中から自分が該当する八宅盤を見つけて下さい。八宅盤には8方位の吉4方位・凶4方位が示されています。

 左側の「坎・震・巽・離」盤では「北・東・東南・南」が吉方位になります。右側の「艮・坤・兌・乾」盤では「北東・南西・西・北西」が吉方位になります。左側に該当する人を「東四命」、右側に該当する人を「西四命」と言います。まずは、自分が「東四命」の人か、「西四命」の人かを確認してください。「東四命」とは、東側4方位が自分の吉方位で、「西四命」とは、西側4方位が自分の吉方位ということです。

八 宅 盤
(東四命)                        (西四命)

        

        

        

        


各吉方位・凶方位について説明します。

   吉方位
せいき
生気
(最大吉)
発展・活気・積極・行動・創造などの意味があり、活力がわき積極的に行動できる方位のため、仕事の発展や金運上昇につながります。
てんい
天医
(大吉)
健康・長寿・無病・仕事・学業などの意味があり、集中力を高めデスクワークや勉強に最適な方位です。健康にも好影響があるので、寝室にも最適です。
えんねん
延年
(中吉)
和合・成婚・協調などの意味があり、周囲との協調性が高まり人間関係が円滑に進む方位です。また、恋愛運や結婚運を上昇させる方位でもあります。
ふくい
伏位
(小吉)
平和・安定・地道・不動・生育など意味があり、平穏無事な家内安全の方位です。穏やかな生活を望む人には最適な方位です。


   凶方位
ぜつめい
絶命
(最大凶)
破産・絶望・多病・多災などの意味があり、仕事面での障害やトラブル、金銭の損失、活力や健康運河低下する方位です。子供が出来にくいとも言われます。この方位で長時間過ごさないほうが良いでしょう。
ごき
五鬼
(大凶)
火災・ケガ・事故・過失・盗難・過労などの意味があり、突発的なトラブルを招きやすい方位です。過労から来る病気にも注意が必要です。
ろくさつ
六殺
(中凶)
口舌・水難・負債・多淫などの意味があり、人との争いや不和、異性関係の乱れなどを招きやすい方位です。自暴自棄にならないよう、自分自身が注意することが必要です。
かがい
禍害
(小凶)
虚弱・減収・不安などの意味があり、小さなトラブルや健康面での不安がおきやすい方位です。ただ、それほどの悪影響ではありませんが、ジリ貧になる可能性もあります。


 八宅盤により、自分の吉凶方位が分かったと思います。利用方法としては、

 1.吉方位に頭を向けて寝る。または、吉方位に寝る。
 2.吉方位を向いて座る・向いて仕事をする。または、吉方位に座る・吉方位で仕事をする。
 3.凶方位ですごす時間を少なくする。

 などです。さらにこの八宅盤を使用して、自分と自宅との吉凶を判断します。

 自分の吉方位に「玄関・寝室・リビング・ダイニング」などがあり、自分の凶方位に「トイレ・風呂・キッチン」などの水場があれば、幸運を招きやすいと言われています。

 以下に、玄関・寝室・リビング・キッチン・トイレ・風呂に適した方位について解説します。

玄関  玄関は家の気の入り口で、金運・人の縁なども玄関から入ってきます。よって玄関は「吉方位」にあるのが望ましく、特に最大吉の「生気」が最高の方位になります。
 玄関は常に清潔にし、余計な靴を出しっぱなしにしないようにして下さい。
寝室  寝室も玄関と同じく重要な場所です。人生の3分の1を過ごす寝室は、やはり「吉方位」にあるのが望ましいと言えます。
 吉方位の寝室では、ぐっすりと睡眠がとりやすく、凶方位の寝室では疲れやすくなるようです。
リビング  家族全員が使用するリビングは、家庭運や財運が上昇するように「吉方位」にあるのが望ましいです。
キッチン  キッチンは「凶方位」にあるのがベストです。コンロで火を燃やし、シンクで水を流すので、凶方位の悪い運気を排除すると考えます。特にガステーブルは「凶方位」に配置し、そのつまみは「吉方位」に向くとベストです。
トイレ  トイレも、毎日汚物を排出するため「凶方位」にあるのが望ましいです。特に健康面に影響を与えるトイレは、「吉方位」にあると体調面に悪影響が出やすくなります。いつも清潔にし換気を心がけて下さい。
風呂  トイレと同様に、毎日身体を洗い排水する場所ですから、「凶方位」にあるのが望ましいです。十分に換気し、カビや悪臭を発生させないようにしてください。
 以上のように、風水では「排泄・排水系の場所は凶方位で」というのが原則となります。「よい運気が充満する吉方位は、汚さない」ということを覚えていて下さい。

 



三元九運(さんげんきゅううん)


 三元九運とは、風水における地運・龍運のことで、180年を1周期とします。

 この中の60年間を一元として、「上元・中元・下元」と言います。この一元はさらに3つの小運に分かれるため、小運は20年周期になります。つまり、風水における地運・龍運は20年周期だと言うことです。

 そして現在は、「下元八運」の期間になります。


三元九運

上元60年 上元 甲子〜癸未の20年 一運 一白水星 1864.2.4〜1884.2.3
上元 甲申〜癸卯の20年 二運 二黒土星 1884.2.4〜1904.2.3
上元 甲辰〜癸亥の20年 三運 三碧木星 1904.2.4〜1924.2.3
中元60年 中元 甲子〜癸未の20年 四運 四緑木星 1924.2.4〜1944.2.3
中元 甲申〜癸卯の20年 五運 五黄土星 1944.2.4〜1964.2.3
中元 甲辰〜癸亥の20年 六運 六白金星 1964.2.4〜1984.2.3
下元60年 下元 甲子〜癸未の20年 七運 七赤金星 1984.2.4〜2004.2.3
下元 甲申〜癸卯の20年 八運 八白土星 2004.2.4〜2024.2.3
下元 甲辰〜癸亥の20年 九運 九紫火星 2004.2.4〜2044.2.3

下元八運とは

 2004年2月4日から、「下元八運」の期間に入りました。つまり、それまでの七赤金星の支配から八白土星の支配へと変化したということです。風水では、時間の変化による気の変化を重視するので、年運、月運、日運とともに、三元九運の20年周期も重視します。

 それまでの下元七運から下元八運への移行により、家の運気が大きく変化しました。それにより、今まで吉方位だった部屋が凶方位の部屋に変わってしまったケースもあります。これは7という数字が「吉数」から「凶数」へと激変したためで、家の中の7が支配する場所が玄関や寝室だったりした家では、「下元八運」期間中に家の運気が低下したり、住人の健康面で支障があったりします。(これは玄空飛星派風水という、家を建築した年や座向などから1〜9の数字で細かく分析する風水です)

下元八運の最大吉数8

 前述の、7が下元八運に入った途端に「凶数」に変わるように、ふうすいにおいては1〜9の数字はそれぞれ吉凶があります。

   1 ・・・ 大吉   6 ・・・ 大吉  8 ・・・ 大吉
   4 ・・・ 吉     9 ・・・ 吉
   2 ・・・ 大凶   5 ・・・ 大凶
   3 ・・・ 凶     7 ・・・ 凶


 また、三元九運の法則により、下元七運では7が、下元六運では6が「最大吉数」になります。たとえ7が「凶数」であっても、その期間「最大吉数」に変わるわけですが、期間が変われば元の「凶数」に戻ります。

 この法則によって、下元八運の最大吉数は「8」になります。元々が大吉数ですので、下元八運(2004.2.4〜2024.2.3)期にこの数字以上の吉数は存在しません。

 もし、数字を選ぶ機会や身に付けることがある時には、「8」を選択してみてください




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