中国の格言
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陰徳とは
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敬神生活の綱領
こう考えると、陰徳を積むことが難しくなりそうに思えてきますが、神社の理念の中に、そのヒントが隠されていますのでご紹介します。神道には『敬神生活の綱領』という、神社信仰における実践生活の規範を示したものがあります。その内容は下記の通りです。 1.神の恵みと祖先の恩とに感謝し、明き清きまことを以って祭祀にいそしむこと 2,世のため人のために奉仕し、神のみこともちとして世をつくり固め成すこと 3、大御心をいただきて、むつび和らぎ、国の隆昌と世界の共存共栄とを祈ること 我々は、天地自然のお恵みによって生かされています。大地に住み、太陽・水・空気の恩恵を受け生命をつないでいます。そして、祖先のお陰によりこの世に生を受けています。祖先あっての自己を考えるとき、祖先の恩・天地の神々の恵みに感謝の気持ちを持つことは当然のことです。自宅の神棚に手をあわせたり、神社参拝時には自分の願い事をする前に、まずは感謝の念を神様に伝えることがいかに大切なことかお分かりになると思います。 そして、家族をおさめ隣近所の付き合いを良くし、人々のために奉仕すること。自分一個の為の幸福だけでなく、自分以外の人々の幸福のためにも手を差し伸べることです。他人の喜びを自分の喜びとする精神、ここに神道の理想のひとつがあります。自分だけ、自国だけが栄えればそれでよいという狭い心ではなく、世界の人々と互いに助け合って生きていく理想が、この綱領には込められています。 |
最後に
さて、ヒントになったでしょうか。昔から日本人がずっとしてきた『神仏を敬う』・『祖先を敬う』・『自然や大地の恵みに感謝する』・『隣近所との付き合いをきちんとする』などのことが、陰徳を積むことにつながるのです。そして、ボランティア活動や地域活動なども当然陰徳を積むことになります。環境に配慮した生活を送ることも大切でしょうし、以外かもしれませんが、いつも笑顔で人を幸せな気分にさせていること自体が陰徳行為になります。ただし、それを自慢したり、傲慢な態度をしたり、人を嫉妬したりすると、積み上げた陰徳は減ってしまうようです。 中国の格言から、陰徳を積むことの大切さについて考えてみました。著者は『日々の生活を頑張って生きている人には、風水によって何らかの結果が出ます。いつ、どんな状態で、どのように結果が出るのかは、風水師自身もわかりません。それは、人それぞれの状況や宿命である器の大きさによって異なります』と結んでいます。 今や、多くの日本人に認知され、実際に生活に取り入れている方も多い風水ですが、実は風水以前に、『日本人として、あるいは人としてきちんとした生き方をする』ことが大切なようです。 |