仁義礼智信
赤羽八幡神社の拝殿右脇には、以前当社の責任役員をされていた方から御奉納いただいた、「仁義礼智信」と書かれた木製の置物が置かれています。
最近、御祈祷をお受けになられる方から、しばしば「それはどんな意味なのですか?」とのご質問をお受けしますので、今回は 「仁義礼智信」 についてご説明いたします。
儒教の五徳
儒教には、人が常時守るべき5つの項目があり、この五徳を拡充していくことにより、人の道を全うすることが出来ると説いています。
この5つの項目が、 「仁 ・ 義 ・ 礼 ・ 智 ・ 信」 です。 それぞれの意味は下記の通りです。
・ 仁 仁義、 真実、 誠。 人を思いやり、優しさをもって接し、己の欲望を抑えて慈悲の心で万人を愛す。
・ 義 義理 筋。 私利私欲にとらわれず、人として正しい行いをし、自分のなすべきことをする、正しい生き方。
・ 礼 礼儀。 人間社会において、 親子、夫婦、君臣、目上 などの、社会秩序を円滑に維持するために必要な礼儀作法。
・ 智 智徳。 学問に励み、知識を得て、正しい判断が下せるような能力。
・ 信 確信。 信頼、信用、正直など。 約束を守り、常に誠実であること。
伊達政宗
戦国時代の武将である、あの伊達政宗は、武士道の基本理念でもあるこの五徳も、すべてが行過ぎてはならず、何事もバランスが大切であると下記のように説いています。
仁に過ぎれば弱くなる
義に過ぎれば固くなる
礼に過ぎれば諂いとなる
智に過ぎればうそをつく
信に過ぎれば損をする
意味は、人を思いやりすぎ、愛しすぎれば、自分が弱くなる。 義理ばかりを通し重んじ過ぎれば固くなる。 あまりに礼儀
作法を重んじ過ぎ、人を敬えば、おべっか使いになってしまう。 頭が良すぎれば、うそをつく知恵も働いてしまう。 他人
を信じ過ぎれば、自分が損をすることもある。 というようなことでしょうか。
現代に生きる我々にとっても、とても参考になります。