黄門様とラーメンと縁結び


 突然ですが、皆さんの好きな食べ物って何でしょうか? カレーライス・ハンバーグ・お寿司・ピザなどなど、この世の中には美味しいものがたくさんありますが、きっとラーメンも皆さんの大好物のひとつではないでしょうか。

 では、そのラーメンを日本で初めて食べたのは一体誰か、ご存知ですか? 私も先日初めて知ったのですが、なんと水戸の黄門様だったようです。当然、今の我々が食べているラーメンとは多少違ったものだったとは思いますが、「ラーメンといえば、水戸ラーメン」とは認知されていないところを見ると、黄門様のお口に合わなかったのか、当時は水戸を中心に全国に普及したということにはならなかったようです。

 では、黄門様がお食べになったラーメンとはどんなものだったのでしょうか。当時儒学に熱心だった黄門様は、長崎に亡命していた明の儒学者を水戸藩に招きました。彼は藩のためにいろいろと尽力し、食の面では中国麺の製法も教授したようです。その食材は何度も長崎から取り寄せては黄門様に献上したとのことです。当時の記録から、麺にはレンコンの澱粉が使用されたことがわかっています。当時のラーメンには必ず五辛という薬味を入れていたようです。五辛とは、生姜・にら・ニンニク・葱・ラッキョウのことで、五臓の気を発するといわれています。

 その後、本格的に日本でラーメンが根付いてきたのは、明治時代の中頃だと言われています。当時はラーメンとは呼ばれておらず、中華麺やシナそばと呼ばれていました。これがラーメンと呼ばれるようになったのは、1953年に「日清チキンラーメン」が発売されてからのことでした。今では全国各地にさまざまなご当地ラーメンがありますし、人気ラーメン店には多くの行列が出来るなど、すっかり日本人の定番メニューとなったラーメン。きっと黄門様がご覧になったらその人気ぶりにさぞかし驚かれることでしょう。

 個人的には、今後のご当地「水戸ラーメン」にスポットが当たってほしい気がしてしまいます。

 さて、日本人の麺好きはかなりのもので、ラーメンのほかにも日本蕎麦・うどん・パスタと、3食とも麺類でもかまわないという方もいらっしゃるようです。日本人の年末の国民的な文化とも言うべき「年越し蕎麦」には「蕎麦のように細く長く幸せが続きますように」や「新しい運を手繰り寄せる」や「細く長く長寿で健康に」などの意味が込められています。

風水では、麺類のように細長いものは「出会い運」、特に「恋愛運」を向上させると言われています。若い女性の中には、主食を麺にすることで恋愛運を高めようと、毎食必ず麺を食べると決めている方もいるようです。風水の考えでは、食物には「気」が含まれていて、食物を体の中に取り込むことによって、 その運気も一緒に取り入れることが出来るとされています。こう考えると、ラーメンなどの麺類は、究極の「縁結びフード」と言えそうです。




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