水準点


 赤羽八幡神社の兼務社である、北赤羽の諏訪神社の境内には、水準点が残されています。

 これは、昭和5年に内務省がそれまでに荒川筋に既設した水準点を補完する目的で、新規に設置した水準点です。

 明治9年以来、内務省は国土の測量のため、水準点の設置を行ってきました。水準点とは、水準測量を行う際に基準とする点です。

 諏訪神社境内の水準点標石を良く見てみると、それぞれの面に 「内務省」 「昭和5年」 「荒川」 「不 B M 1」と刻まれているのがわかります。「 不 」 の字に見えるマークは 「 几(き)号 」 といって、 「 不 」 の字の横棒が標高を表します。「 B.M 」 とは、水準点を表す英語 「 ベンチマーク 」 の頭文字で、その後の1は1号を表し、「 荒川1号水準点 」 という意味合いになります。  

 実はこの水準点は、それまでに内務省が設置した荒川筋の水準点を補完する目的で、昭和5年に新に荒川筋に設置された15ヶ所(内2ヶ所は入間川筋に設置)の、水準点のひとつです。

 記録によれば、諏訪神社境内の基準点を1号とし、荒川の上流方向に向かって水準点の設置が行われています。

 15ヶ所の水準点設置地先、ならびに設置場所は下記の通りです。


・ 水準点設置地先

      北豊島郡   岩淵町  ・  赤塚村

      北足立郡   横曽根村  ・  内間木村  ・  馬宮村  ・  平方町  ・  川田谷村  ・  馬室村 比企出丸村  ・  小見野村  ・  北吉見村

      入間郡    古谷村  ・  山田村

      大里郡    武川村

      ( 荒川改修60年史による )


・ 水準点設置場所

      荒川1号     諏訪神社境内                   北区赤羽北3−1−2

      荒川2号     八幡宮境内社殿 (横曽根村)         川口市南町1−15−10

      荒川3号     徳丸原 (赤塚村)                板橋区高島平8−24付近

      荒川4号     氷川神社                      朝霞市下内間木36

      荒川5号     氷川神社                     さいたま市西区大字西遊馬字宿235−1

      荒川6号     不明                        不明

      荒川7号     橘神社                       上尾市平方2124

      荒川8号     白山神社                      比企郡川島町出丸中郷331

      荒川9号     金比羅社                      桶川市川田谷7424

      荒川10号    氷川神社                     比企郡川島町下小野見755

      荒川11号    氷川神社                     鴻巣市滝馬室1151

      荒川12号    荒神社                       比企郡吉見一ツ木236
    
      荒川13号    天神社                       深谷市菅沼480

      入間1号     浅間神社                     比企郡川島町大字曲師

      入間2号     赤城神社                     川越市福田424


      (荒川上流精密水準測量報告書)



*  内務省は、1873年〜1947年に設置されていた中央官庁で、地方行政・警察・土木・衛生等の国内行政を担った

*  上記の水準点に関する文章は、北区教育委員会事務局の山口隆太郎学芸員に作成していただきました


   




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